種子島からの便り
先日、拙著『成人T細胞白血病 ATL闘病記』を読んでくださった
エミママさん からメールをいただきました。
このメールのとっても元気で優しい文面から、
「これはぜひ皆さんにご紹介したい!」と思いまして(^-^)
エミママさんにも了解いただき、ここにエミママさんが歩まれたATL治療の道のりの一部を紹介させてもらいます。
エミママさんは、種子島に住む女性です。
今から4年前(平成17年)にATLを発症して入院されました。
治療は抗がん剤と骨髄移植をされ、10か月後に退院。
今年の5月で移植後丸3年(!)になるとのことです。
退院されてからは、25年前から営まれてきた喫茶スナックで
元気にお仕事をされながら、
月に一度、高速船で鹿児島の病院に通われています。
数日前の受診も、結果は異常なしとのことでした。
写真を見せてもらいますと、年齢より若くて美しくて、とーっても素敵なエミママさんなのですが、
無菌室にいたときには、髪が抜けて、痩せこけてしまったそうです。
けれど、
エミママさんは、そんな鏡の中のご自分に向かって、
泣き顔より笑顔を見せるように、つとめてこられたそうです。
同じく入院されていた方々には、エミママさんがお見舞いに行く間に亡くなった方もいるし、元気になった方もいるそうですが、
エミママさんは、
「どんなに辛くても、悲しくても、何も言わなくても、
笑って逢いにいきます。
それだけで良いから。
笑顔で、見舞いに行きます、」
と、言います。
エミママさんより先に移植された方お二人と、後に移植された方お一人も元気にされているそうです。
そんなエミママさん達の口ぐせは、
「生きてるから良いよね」
なのだそうです。
エミママさんは、住所のない遠いところに行ってしまったお仲間の分まで生きたいと思う、と書かれています。
私は、エミママさんのように明るく優しくあることが、
皆さんが希望を見失わずいられるどれほどの助けとなるのだろうと思うと、
胸がふるえて心の底から勇気が湧き上がってくるような感じがするのです。
エミママさんの通う病院は、I病院分院です。
とてもアットホームな雰囲気の病院で、院長先生はとても優しい方だそうです。無菌室も増え、ATL治療に力を入れているとのことです。
主治医の先生も誠実な方だそうです。
良いお医者さんにめぐりあえてよかったですね、エミママさん。
種子島はロケット打ち上げの施設があることもあり、
エミママさんのお店には、その隊員さんがお客様に多いとのこと。
その方々が、私の本をエミママさんに紹介してくださったのでした。
(隊員さんへ、このご縁をありがとうございます。
星がきれいな種子島の、温かな皆さんの思いやりが、ここ北海道にまで伝わってきました。
エミママさんのお店には、きっとエミママさんのお人柄に惹かれた方々が集っているのでしょうね)
エミママさんからのメールを見た時「種子島からメールが届いた!!」と驚いて言った私に、
小4の息子が「種子島からメールが届くなんてすごいすごい!!」と言ってくれましたが、
考えてみると今は地球の裏側からでもインターネットやメールで
クリック一つで瞬時に情報を得られる時代ですよね。
そんな、わかりきっていることなのにね。
とてもうれしく感じた今回の便りに、また一歩前に進む力を与えてもらえたような気がしています。