白血病ウイルス 大都市で感染増

今年から3年の予定で開始された、
厚生労働省によるHTLV-1の感染者数調査の結果が先日新聞に載っていましたので、
テキストを全文貼り付けます。


北海道新聞2009年6月28日朝刊
白血病ウイルス 大都市で感染増」
http://yakatachiaki.web.fc2.com/atl/20090628doshin.pdf

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白血病ウイルス感染者108万人 大都市圏で割合増

 母乳を通じて母子感染し、白血病などを引き起こす可能性がある成人T細胞白血病ウイルス(HTLV1)について厚生労働省研究班が約20年ぶりに実施した調査で、感染者の地域別割合がもともと高かった九州で減少し、関東や中部、近畿の大都市圏で増加したことが27日、分かった。

 国内の感染者数は約108万人と推計。旧厚生省研究班が1988〜90年度にまとめた調査の約120万人と比べ大きな変化はなかった。これまで全国的な対策は取られておらず、子供への感染を防ぐ取り組みが急務となりそうだ。

 研究班班長の山口一成国立感染症研究所客員研究員は大都市圏での割合増加について、感染者が多い九州からの人の移動が背景にあると指摘。「妊婦への抗体検査や授乳指導を実施している自治体は一部に限られ、感染者総数もあまり減少していない」と話した。

 HTLV1はATLと呼ばれるタイプの白血病や、歩行障害などが出る脊髄症(HAM)の原因となる。ATLの発症率は3〜5%。根本的な治療法はなく、年間約千人が亡くなっている。

 今回の調査は、2006〜07年に初めて献血した全国の約119万人を対象に実施、3787人の感染が確認された。

 感染者の地域別割合は、九州が前回調査の50・9%から41・4%に減少。一方、関東は17・3%(前回10・8%)、中部8・2%(同4・8%)、近畿20・3%(同17・0%)で、いずれも前回より増加した。
2009/06/27 18:03 【共同通信


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検査対象が、献血をした人だけなので、
本当の正確な人数とは言えないと思いますが、
関東・中部・近畿の感染者が明らかに増えています。

記事中の山口先生がおっしゃるように、
これからの子どもたちを守るためにも、
妊婦さんへの対策が急がれると思いました。

それに、九州地方に多いとされたキャリアが、
都市部に広がってきていて、
これはもう国全体で取り組まなければならない問題となっているのではないでしょうか。


宮城県知事の浅野史郎さんが、5月にATLを発症されたニュースが
記憶に新しいですが、
浅野さんは5年ほど前からHTLV1感染を知っていたらしいです。
この病気のことを知ったならば、感染防止の重要性が理解できると思うんですけど、
知事時代にはそういう取り組みはされなかったのですね。

しかし、浅野さんが元気になった時は、
感染防止啓蒙運動に力を貸してくれるといいなと思いました。



成人T細胞白血病 ATL闘病記(ATLシリーズ2)

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