HTLV-1対策 素人の私にできること

HTLV−1ウィルスをなくす会 理事長の菅付さんより、
HAMは水平感染もあるのだとご指摘をいただけましたので、
本文を訂正させていただきました。
菅付さん、本当にありがとうございました。

HAMの水平感染について思うことを加筆しました。

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原稿を本格的に書き進めるようになってから、
このウィルスの感染予防対策が
全国に整備されていないという問題があることを知りました。

まず、HTLV-1ウィルスの感染経路ですが、
水平感染(性行為……おもに男性から女性、輸血)と垂直感染があり、
そのうちATLを発症するのは垂直感染すなわち母子感染で、
HAMの場合は水平感染も垂直感染もありえるそうです。

ATLに水平感染がないというのは、
性行為を介した夫婦間の感染の場合、潜伏期間が数十年ということで、
発症するまでに平均寿命に達してしまうため発病の例がないということです。
そして、輸血や献血については、国内で採血されたすべての血液に対して
昭和61年からHTLV-1抗体検査が行われるようになったので、
感染は食い止められたということです。


HAM発症者にだけ水平感染があるというのは、どういうことか考えてみますと、
ATLは発症すれば生存期間中央値は3〜13ヵ月(国立がんセンターがん対策情報センターより)
ですから平たく言えば亡くなってしまう。
でもHAMは神経障害が起こりそのまま経過してしまう。
その違いかと思います。
何も疑わずに輸血を受けて感染された方は辛い。
輸血時、感染の予測は本当に不可能だったのだろうか?
薬害肝炎の被害者は救済されることになったのにな。


当ブログに寄せられた、
ぴよぴよさん、とんこさん、nikkyさんからいただいたコメントには、
ご自身の感染を知った衝撃や、
お子さんを母乳で育てたことへ罪の意識を感じられているという、
苦しいお気持ちが切々と書かれています。


いくら発症率が低いといっても、発症すれば致死率の高いATL。
脊髄まひを起こす難病のHAM。


ですから、まずは母子感染予防対策を、
九州・四国・沖縄だけでなく全国的に整備する制度づくりや、
病気についての認識を広めることが必要だと思うようになったのです。
病気のことを全国的に広めると
社会的混乱が起きるとか差別が起こるという懸念があるようです。
しかしそれが知らせないでいい理由にはならないと思うのです。

ATL、HAM患者の苦しみは、
当然、なった方にしかわからないものだと思います。
私の場合、父がATL発症し非常に苦しい闘病生活を送りました。
幸い元気を取り戻すことができましたが、
だからと言って自分は助かったからいいんだとは思えないのです。
苦しんでいる方を目の前にして見て見ないふりなどできません。



「全国HAM患者友の会(アトムの会)」の5年間の努力の結果、
今年6月23日にHAMが難病認定を受け、
また7月2日には厚生労働省
ATL患者とHTLV−1キャリア数の
全国的な分布状況などの調査に入ったというニュースが
熊本日日新聞のサイトに掲載されています。


アトムの会
http://www.minc.ne.jp/~nakusukai/index.atomu.htm
熊本日日新聞
http://kumanichi.com/iryou/kiji/cancer/165.html


アトムの会さんの活動によって、
HAMの診断法や治療法の開発、
大規模な臨床研究が公費で可能になったのです。
本当に素晴らしいことですね!



私も微力ながらも、本を書いて全国の方に読んでいただき、
患者さんやキャリアの方へ、
元気を出そう!力を合わせよう!と伝えたい。


万一、父が再発した時には、治療法が確立していますように願いつつ、
HTLV−1ウィルスの感染予防の確立、治療薬の開発、
ひいてはウィルスの撲滅につながるような訴えかけ……


そのための、最初の第一歩を踏み出します。




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