単独の服用で50%の効果〜ポテリジオ

こんにちは。
明日は札幌でATLやHAMの講演会・シンポジウムがあり私も参加してきます。

HTLV-1ウイルス、ATL、HAM 公開講演会・シンポジウム ―知ってくださいHTLV-1 相談できる地域づくりへ― 」


さて、今日は西日本新聞の記事をご紹介します。
記事によると、新薬研究段階では、患者26人のうち13人に血液中のがん細胞が減ったり、リンパ節の腫瘍が小さくなったりするなどの効果がみられたということですね。

 「単独の服用で50%の効果が出ている。ほかの薬と併用すれば効果が高まる可能性がある」と開発に携わった国立病院機構九州がんセンター福岡市南区)の鵜池(ういけ)直邦血液内科部長は評価する。

とのことですので、
この可能性をもっともっと追求していっていただきたいと願います。



以下は西日本新聞の該当記事の全文です。

【HTLV1制圧へ】がん細胞を狙い撃ち ATL新薬 希望の光 専門医「治療の選択肢広がる」


医療機関の周知に課題

発売されたATLの新薬「ポテリジオ」=福岡市南区国立病院機構九州がんセンター 九州に患者の多い難治性の血液がん、成人T細胞白血病(ATL)の治療薬として製薬会社「協和発酵キリン」(東京)が開発した新薬「ポテリジオ」が5月末に発売された。ATLを引き起こすがん細胞を直接攻撃する初の治療薬で、専門医は「治療の選択肢が広がった」と指摘。一方で、一部医療機関には十分に認知されていない状況もあり、患者団体は「医療機関の間で情報共有を」と注文する。

 同社によると、新薬はがん化した細胞を狙い撃つ「分子標的薬」で点滴で投与。臨床試験では患者26人のうち13人に血液中のがん細胞が減ったり、リンパ節の腫瘍が小さくなったりするなどの効果がみられたという。

 従来のATL治療法には、抗がん剤による化学療法、正常な血液成分を作る骨髄を移植する造血幹細胞移植などがある。だが、化学療法は再発患者に効きにくかったり、移植は患者の年齢制限があったりするなどの問題点もあった。

 ATLは白血病の中で最も死亡率が高く、毎年国内で約千人が死亡。これまでは有効な治療薬がなく、多くの患者が発症後半年前後で亡くなっている。新薬は、従来の治療が効きにくい患者や再発患者が対象という。

 「単独の服用で50%の効果が出ている。ほかの薬と併用すれば効果が高まる可能性がある」と開発に携わった国立病院機構九州がんセンター福岡市南区)の鵜池(ういけ)直邦血液内科部長は評価する。

 ただ、発疹や発熱、肝機能障害や白血球の減少などの副作用も懸念されるという。鵜池部長は「完治につながる夢の薬ではない。どの段階で投与すればより効果的で、安全か。医療機関が互いにデータを集めていく必要がある」と話す。

 患者団体「日本からHTLVウイルスをなくす会」(鹿児島市、菅付(すがつき)加代子代表理事)には、患者から新薬への期待の声が寄せられた。

 同会によると、神奈川県内の病院にかかる70代の男性は3月にATLと診断され、「余命半年」と宣告された。だが、新薬投与が始まり、医師は「血液検査の数値が改善した」と説明。男性は「生きる希望が湧いた」と話したという。

 一方、一部の患者には「病院でポテリジオの説明を受けなかった」などの声もある。菅付さんは「わずか数日の判断の違いで病状が悪化し、患者の運命が変わるケースもある。医療機関同士で新薬の正しい情報を共有してほしい」と訴えた。


=2012/06/22付 西日本新聞朝刊=