入院 2002/10/5

父の入院を受け、病状についてインターネットで調べ始めました。当日わかっていたことは、カルシウム値が高いということでしたので「カルシウム」と検索してみましたが、ミネラルやサプリメントなど、健康食品関連サイトばかり表示されます。どんな言葉で検索すれば、思うような結果が表示されるのだろう?と悩んでいるうちに、
「そうだ、専門の掲示板で質問してみたら、なにかヒントをもらえるかも?」
と、思いつき医療関係の掲示板に投稿してみました。

「今日父62歳が緊急入院しました。過去には急性肝炎と脳出血になったことがあります。それに懲りず、毎日飲酒を欠かしませんでした。本当に腹だけ出ていて、酒飲みの体型という感じです。本人もダイエットの必要を感じたのか、知人に教わった『蜂蜜&酢』を毎日採るようになりました。その分食事を控えるようになったそうです。そうするうちに、体がだるくなって気力もわかず、仕事もできないほどぐったりして横になっていることが多くなりました。そして今日、やっと総合病院にいったら、検査の結果カルシウム値が16とのことで、普通の人の倍以上あるそうです。お医者さんいわく、このまま20日間くらい気づかずにいたら死んでいたかもしれなかったそうです。これはどんな病気の疑いがあるのか、わかる方いらっしゃいますか?」

この質問に対して、親切な方が次のようなお返事をくださいました。

「はじめまして。私は医療関係の者ではないので、参考になるかわかりませんが、タイトルに書きました、高カルシウム血症という状態ではないかと思います。検索サイトで、この名前をいれて検索をかけると、可能性のある病名等がいくつか出てきます。素人なのにでしゃばってすいません。お父様が早くお元気になられたらいいですね」

高カルシウム血症?」

何かの病気によって起こる状態───その病気が、生命にかかわるものだとは思えないし、検索結果に並ぶたくさんの聞いたこともないような言葉から、吐き気、嘔吐、便秘、むくみ、体力低下など、自分が理解できるものだけを選び、「きっと大丈夫、『このまま気づかずにいたら死んでいたかもしれない』ということは、いま気づいたのだから死なないということなのだ」
と、都合のよい解釈をしていました。

未知の病気ATLと、父と私達家族の闘いはここから始まりました』